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2008ツールド沖縄

 投稿者:ナンス  投稿日:2008年11月17日(月)23時18分9秒
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  今年もレースシーズンの締めくくり、ツールド沖縄がやってきた。去年の沖縄が終わってから一年間、このレースを最大の目標として練習してきた。平日は往復95kmの通勤ライド、休みの日は千葉の山岳コース150kmというのが毎日の日課だった。今年7月には聡ちゃんとの結婚も決まり、独身最後の沖縄で彼女に最高の走りを見てもらい、その夜の打上げで結婚の発表をする事を決めていたので疲れていても、調子が悪くても、その為に頑張ることが出来た。
9月の王滝120kmで再び靭帯を痛め、しばらくは軽くしか乗れなかったけどそれも完治、コンディションは最高。でも一週間前の本田練で靭帯炎が再発、これが出ると最後はペダリングが出来なくなる。アイシングとストレッチでやれるだけの事はやって後はぶっつけ本番、痛みが出るまでは全力で頑張る事を決意した。
金曜夜にサイクルモードにちょっと寄ってから羽田に前泊、6:35の飛行機で沖縄へ!
那覇空港到着、例年同様に南国独特の暖かさを感じ今年もまた沖縄に来たことを実感した。レンタカーで会場に移動し、宮里そばで昼食。受付を済ましてホテルに到着、皆でバイクを組み立てて後は夕食まで自由行動。パイナップルパークに行く人、コース下見に車や自転車で行く人、軽く足を回しに行く人、僕は休みたかったので風呂、ストレッチ、レース準備をして明日に備えた。夕食はおなじみ名護曲レストラン、メニューは豊富だけどあんまり冒険はしないで豚の生姜焼き定食、ゴーヤ入り餃子、ソーメンチャンプルー、そしてピンク色のドラゴンフルーツジュースを楽しんだ。宿に帰ったらすぐに寝る。明日は雨じゃなければ良いんだけど・・・
レース当日4:00起床、レース前だけどぐっすり眠れた♪
200kmの長距離なので朝食はしっかり食べる。コンビニ弁当、家から持ってきたシリアル、野菜ジュース、バナナ、サンドイッチ、パワーバー、パワージェル、・・・これだけ食べればたぶん大丈夫だと思う。
5:30ホテル出発、本当は自走で行く予定だったけど直前で雨が降り出して急遽車で会場入りした。駐車場で待っている間も雨は一向に止む気配は無くむしろ強くなっている感じ、雨のレースを覚悟する。雨対策に空気圧を1気圧落として7気圧に、寒さ&落車対策で長袖アンダーウェアとレッグウォーマーを装備してスタートラインへついた。
今回の装備はボトルにカーボショッツ8本を溶かした物とアクエリアスのダブルボトル、背中にパワーバー(バニラ味)3本とパワージェル(梅)を3つ、パワーバー(バニラ味)はレース中でも食べる事が出来るのでお気に入り♪
午前7:00、「パンッ!」というピストルの合図と共に200kmの長いレースが始まる。まずは350人の大集団で平地を走る。この序盤の40kmぐらいは道が曲がりくねっており、遅くて下手な選手もまだ集団内に残っているので所々で集団が詰まって落車が発生するから注意が必要。安全策で集団後方の端を走り、今回は雨なのでブレーキがあまり効かないので前とも若干間隔を空けて注意しながら走る。集団の速度は雨だけど40km/h以上、最初から落車が続出のサバイバルな展開になった。僕は前も横もスペースがあるから落車があってもかわしきれるし、止まる事も出来るけど・・・それにしても皆よくコケる。コーナーに勢いよく入りすぎてそのまま歩道のコンクリートに突っ込んで行く人、集団が詰まった時にブレーキングが間に合わずそのまま突っ込む人、カーブや集団内で人とちょっとぶつかっただけでコケる人、・・・ちゅら海水族館ぐらいまでで15回位落車があり、この先山岳コースになったらどうなっちゃうの?と思った。
今帰仁の上りをこなしてちょっと急な長い下りへ。「ここまでの展開からぜったい集団落車がある」って思ってたら・・・前方で一人コケた、あっ二人目、三人、四人、ガシャガシャガシャ・・・・・・集団中盤からほぼ全員巻き込まれていく。僕は用心して端を走りスペースも十分に確保しておいたからギリギリセーフ、止まりながら避けることが出来た。集団前方から雪崩のように落車していく様子は凄まじかった。この集団落車で集団が割れてしまった。速攻で追い上げて集団復帰、後ろからも次々に追いついてきてまた大集団に戻って海岸線へ出る分岐へ。ここまで走ってみて展開はかなりリスキー、同じコースを走っている50kmの人達は大丈夫かな?と心配になった。僕たち200kmはこの分岐を左へ曲り海岸線へ。この海岸線は例年通りマッタリと進む。時速も30km/hぐらいに落ちて非常にラク、この区間で積極的に補給を摂る。パワーバー(バニラ味)は食べやすい。
そのまま20kmぐらい進むと130kmのスタート地点の道の駅へ、130kmがまだスタートしていない。ということはチャンピオンレースとの差があまりないと言う事。こうなると130kmはスタート時間が遅れて完走がものすごく難しくなる。
この130kmのスタート地点が一つの目安、勝負所の普久川ダムの上りが近い。前方に上がっていき一回目の上りに入った。上りなのにアウター、速すぎ。前方では前年度優勝の高岡さんがペースを上げる。こうなるとオーベストのボスなども黙っていない訳で・・・・・ツライ。しばらくして高岡さんが一人で抜け出した。ここから逃げるの?ちょっと凄すぎ!高岡さんの逃げを集団は容認、差が開いていった。きついけどなんとか先頭集団で山岳ポイント通過、急な下りに入る。落車、落車、落車、コーナーのたびに2〜3人ガードレールに突き刺さっている。慎重に下っていたら先頭から遅れた。でもこれ以上は危険すぎるので後ろを待って集団復帰を図ることにした。補給地点を過ぎ下り基調のアップダウンを繰り返しながらローテーションして集団復帰、沖縄最北端の辺戸崎に出る。後ろからもどんどん追いついてきて80人ぐらいの集団になった。
辺戸崎を過ぎると一つ目のトンネルへ。別に問題ない。沖縄のトンネルは滑りやすくて危険って言われてたけど・・・舗装し直されたのかな?難なくこなして時速50km/hぐらいで二つ目のトンネルへ!一応用心の為に集団を外れ反対車線をスペースを確保して走る。
あれ?なんか舗装がさっきと違う!グリップ感も全くないし・・・
突然、集団前方が一斉に落車しはじめる。しかも皆ありえない方向(真横とか)に飛んでいく。
ガシャガシャガシャガシャ、ホワワワワワワワ〜〜〜〜〜〜〜ン。
トンネル内を落車の音が反響する。前方がほぼ全員コケて道幅いっぱいに自転車と人が転がっていき、それに後続が次々に突っ込むという悲惨な光景、僕も軽くブレーキングしただけでフロントが思いっきり滑り自転車と共にトンネル内を滑っていく。幸いにも落車対策で長袖&レッグウォーマーをしていたし落車に備えてちょっと速度を落しながら集団を外れていたので無傷で済んだ。集団落車70人ぐらいの凄まじい光景、氷のトンネル、そんな感じだった。
落車を免れたのは本当に先頭にいた10人ぐらい、あとは全員落車したのでレースも一時中断、皆で先頭復帰して普久川ダム二回目の上りへ。
あいかわらず凄いペース、集団も割れ始める。トップ集団からは、じわりじわりと離されはじめて第二集団で粘る。そしてこのあたりから靭帯炎の痛みが出始めた。あーあ、遂にきちゃったか・・・どうしよう?これが出るとだんだん痛みがひどくなっていき最後はペダリング出来なくなるし・・・でも結構良い位置に付けてるし諦めたくもない。とりあえず行ける所まで行くしかない。第二集団で山岳ポイント通過、この位置ならローテーションして先頭復帰も可能かもしれない。そう思って下りに入ると・・・また次々に落車、カーブを曲がりきれずにガードレールに突っ込んでいく。僕のすぐ前方で3人ぐらいの落車発生、やばい!ライン上にコケられた。避けれないのでコーナーを直線状に走りながらフルブレーキング。10cm手前ぐらいで止まる事が出来た。本当にギリギリセーフ!やばかった。
ここで止まってしまったので第二集団からも遅れた。ここから先も危険な下りがいっぱい、一人で追いつくのはリスクが大きすぎるし、これをやったら確実にガードレール行き。靭帯炎の痛みも出ている。沖縄というレースも大事だけど、それ以上に来年5月の聡ちゃんとの結婚式の方が僕の中ではもっと大事。その為には怪我をする訳にもいかない。残念だけどレースの「勝負」という面ではここで終了、安全にゴールする事にした。
後ろの第三集団を待って集団走行、靭帯炎の痛みもひどくなってきて上りはダンシングしか出来なくなった。そのまま集団でローテーションしながら沖縄の山中を走り、高江の海岸線に出る。いつもならエメラルドグリーンの綺麗な海が見えるが今回はそれを見ている余裕は無し。最後の源河の上りでは脚も攣り始めて集団からも遅れた。記念に沖縄のボトルを2種類受け取り、下りを慎重に走って最後の15kmぐらいの平坦へ。後ろから来る集団を待って40km/hでローテーションしながらゴールを目指した。最初から最後まで雨、一瞬も気が抜けないレースだった。最後はゴールスプリントには加わらず単独でゴール、ゴールしたというよりも生還したという感じだった。ゴールでは先にゴールした50kmの部やサイクリングのチームメイトが出迎えてくれた。このサバイバルな展開の中、無事にゴール出来ただけでも正直良かった。どれぐらいの人が落車して、何人病院送りになったのか・・・想像もつかない。ゴールして荷物を受け取り、皆と合流してマッタリと過ごす。僕のレースは無事終了した。
さてさて、こうなると心配なのが130kmに出場した仲間たち。200kmと同じように氷のトンネルや危険な下りを走ってくる訳で・・・誰もゴールに来ない。
しばらくして秋山さんがゴール、さすが!続いて長谷川さんも!王滝でも良い走りしてたしね!
あとは?・・・来ない・・・
交通規制も解除され、いよいよ心配になる。皆無事か?とりあえず昼食券でお昼を食べて帰ろうとしたら収容バスが!皆降りてきて無事だった。スタートが30分遅れたんじゃ完走は厳しい。参加者みんなが怪我無く楽しめたのが一番良い、参加の皆さんお疲れ様でした。
ホテルに戻り皆と今回のサバイバルなレースについてしばし談笑、こんなロードレースは今まで経験した事が無い。王滝120kmよりも全然過酷だった。
夕食はホテルでバーベキュー、今日のレースで破壊された筋肉を修復する為肉を食べまくる・・・・・はずだったけど食欲が無い。胃腸も相当疲れている。
その後は部屋に全員集まり今日の感想を一言ずつ・・・参加者それぞれにドラマがあり、心ゆくまで沖縄を満喫した様子だった。僕の番になり、この一年間沖縄を目標にして努力してきた事とサバイバルなレース展開を話し、決心していたとおり聡ちゃんとの結婚の報告をした。思い出の地、沖縄で結婚の報告が出来て皆も本当に僕達二人の事を祝福してくれて最高に幸せだった。

自転車に出会って6年間、すばらしい仲間にも恵まれレースでも成績が残せるようになりどんどん自転車に夢中になっていった。それまでこんなに夢中になって打ち込める物に出会えた事は無かったし、自分を端的に表現できる自己表現の場でもあった。より速く、より好成績を残す為に自分の時間の大部分を自転車につぎ込んで仲間とのライドや練習にあけくれた。そんな中聡ちゃんと出会い、自転車一辺倒だった考え方にも変化が生まれ、彼女との時間を一番大切にしたいと思えるようになった。7月には結婚を決め、聡ちゃんとの家庭の事が僕の中で一番重要な事になった。だからこそ沖縄では僕が今まで打ち込んできた「自転車」というものを実際の走りで彼女に見てもらいたかったし、独身最後のレースで最高の走りをしたかった。レース当日は悪天候、サバイバルな展開、怪我の影響で成績はイマイチだったけど納得する走りは出来た。本当は僕が聡ちゃんに最高の走りをプレゼントする予定だったけど、逆に聡ちゃんの方が本当に全力を出し切り8位という好成績を残して、僕に最高の走りを見せてくれたのがとってもうれしかった。
これで独身現役レーサー生活時代のレースは終了、これからは聡ちゃんとの家庭を大切にしながらこのすばらしい「自転車」という趣味とつきあっていきたい。
 
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